全館空調とは?5つのメリット・デメリットと快適な家づくりのポイント
かつては「贅沢な設備」「電気代が高そう」といったイメージもあった全館空調。しかし、近年は全館空調を選ぶ人が増えています。
例えば、ある大手ハウスメーカーA社では、新築戸建住宅における全館空調の採用率が、2020年度の26%から2025年度には52%へ増加。5年間で約2倍となり、今では2人に1人が選んでいます。
また、別の大手住宅会社B社では、全館空調の累計受注棟数が2026年1月に35,000棟を突破しました。
こうした数字からも、全館空調を選ぶ人が増えていることが分かります。
例えば、冬の朝、暖かいリビングから寒い廊下へ出るのがつらい。夏は2階の寝室が暑くて、なかなか寝つけない。
全館空調は、こうした家の中の温度差を少なくし、家族がどの部屋でも快適に過ごせるようにする仕組みです。
では、一般的なエアコンとは何が違い、どんなメリットがあるのでしょうか。
ただし、「24時間つけっぱなしで電気代は高くならない?」「部屋ごとに温度は変えられる?」「故障したらどうするの?」といった疑問もありますよね。
この記事では、全館空調のメリット・デメリットを、実際の暮らしをイメージしながら分かりやすく解説します。
1.全館空調とは?一般的なエアコンとの違い
一般的なエアコンは、リビングや寝室など、設置した部屋を中心に冷暖房します。
そのため、エアコンのない廊下や洗面所、トイレなどは、夏は暑く、冬は寒くなりがちです。
一方、全館空調は、家全体をまとめて冷暖房する仕組みです。
温度を調整した空気を、ダクトと呼ばれる空気の通り道を使って各部屋に送ります。
そのため、リビングや寝室だけでなく、廊下や洗面所なども含め、家全体の温度差を少なくすることができます。

近藤建設興業が採用している全館空調
近藤建設興業では、LIXILの「エコエアFine」という全館空調を採用しています。
特徴は、外の新鮮な空気を取り入れる「換気」と、家の中の温度を調整する「冷暖房」が一体になっていることです。
外から取り入れた空気を、室内の温度に近づけてから冷暖房し、各部屋へ送ります。
窓を開けなくても家の空気を入れ替えながら、快適な室温を保ちやすいことがメリットです。
実際に採用されたお客様からも、空気の快適さが評価されています。
2.全館空調の5つのメリット
① 冬の廊下も、夏の2階も。家のどこでも快適に過ごせる
冬の朝、暖かいリビングから廊下へ出ると急に寒い。洗面所で顔を洗うときも、寒さが気になる。
そんな経験はありませんか?
全館空調なら、廊下や洗面所にも暖かい空気が届くので、部屋を移動するたびに寒さを感じにくくなります。
夏も同じです。
暑くなりやすい2階の寝室や、エアコンを取り付けにくい小さな書斎などにも、涼しい空気を届けることができます。
例えば、子どもは2階で勉強、大人はリビングでテレビを見たり、書斎で仕事をしたり。
家族がそれぞれ別の部屋で過ごしていても、暑さや寒さを気にせず、自分の時間を過ごしやすくなります。
これが全館空調の大きなメリットです。
ただし、家のすべての場所が必ず同じ温度になるわけではありません。実際の室温は、家の性能や空気の送り方によって変わります。

リビング25.3℃、脱衣室25.5℃、2階25.4℃と、測定した3か所の温度差がわずか0.2℃
② 冬のお風呂も、夏の夜も。家族の健康に配慮できる
冬、暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動して服を脱ぐ。
こうした急な温度変化によって、血圧が大きく変わることがあります。
これを「ヒートショック」といい、体に大きな負担がかかる場合があります。
全館空調で廊下や脱衣所などの温度差を少なくすることは、こうした急な温度変化による体への負担を減らすことにつながります。
また、夏は家の中でも熱中症に注意が必要です。
特に寝室は、夜になっても暑さが残ることがあります。
全館空調なら、寝室を含めて家全体の温度を管理しやすくなるため、寝ている間の暑さ対策にも役立ちます。
子どもから高齢の家族まで、毎日を過ごす家の温度差を少なくできることは、健康を考えるうえでも大切です。
※全館空調によって、ヒートショックや熱中症を完全に防げるわけではありません。
③ エアコンの風が直接当たりにくく、心地よく過ごせる
夏、ソファでくつろいでいると、エアコンの冷たい風が直接当たって寒い。
冬は、暖房の温風が顔に当たって不快に感じる。
そんな経験はありませんか?
全館空調は、強い風を直接体に当てるのではなく、弱い風で家全体の温度を調整します。
そのため、エアコンの風が直接当たりにくく、冷暖房の風を気にせず過ごしやすくなります。
近藤建設興業で全館空調を採用されたお客様からも、風を感じにくい快適さが評価されています。
④ エアコンが目立たず、好きな家具を置きやすい

「この壁に大きな絵を飾りたい」「ここに背の高い家具を置きたい」
でも、エアコンの位置が邪魔になって、思うように家具を置けないこともあります。
全館空調なら、各部屋に壁掛けエアコンを設置する必要がありません。
そのため、家具や照明の位置を考えやすくなり、壁もすっきり見せられます。
エアコンの位置を気にせず、好きな家具やインテリアを楽しめる。
家のデザインにこだわりたい方にとっても、うれしいメリットです。
⑤ 家全体を冷暖房しても、大きなエアコンが必要とは限らない
「家全体を24時間冷暖房するなんて、電気代が高そう」
そう思われる方も多いのではないでしょうか。
実は、家の断熱・気密性能が高ければ、比較的小さな出力でも家全体を冷暖房できる場合があります。
近藤建設興業が採用している全館空調の冷房能力は4.0kW。一般的な14畳用ルームエアコン約1台分の出力です。
なぜ、それだけの出力で家全体を冷暖房できるのでしょうか。
その理由は、家そのものの性能にあります。
冬に暖めた熱が外へ逃げにくく、夏は外の熱が入りにくい家なら、少ないエネルギーで室温を保ちやすくなります。
つまり、家全体を冷暖房するからといって、必ずしも大きなエアコンや多くの電気が必要になるわけではありません。
実際に、メーカーが行った冷暖房費の試算では、高断熱住宅で全館空調を24時間運転する場合と、一般的な省エネ基準の住宅で各部屋のエアコンを使う場合を比較しています。
その結果、一定の条件では、全館空調を24時間運転する高断熱住宅の方が、年間の冷暖房費が少なくなる試算結果も出ています。
24時間つけっぱなしだからといって、必ずしも電気代が高くなるわけではないのです。

メーカーの試算では、一般的な省エネ基準の住宅で必要な部屋だけを冷暖房する場合と、高断熱住宅で全館空調を24時間運転する場合を比較しています。
住宅の断熱性能や運転方法は異なりますが、高断熱住宅では、家全体を冷暖房しても冷暖房費を抑えられる場合があることが分かります。
図の引用:LIXIL
H28年省エネ基準水準の住宅で部分間欠運転(居室のみ在室時間に冷暖房運転)を行った場合とHEAT20 G2水準の住宅で全館換気空調を使用した場合を比較すると、冷暖房費がおトクでありながら、住宅全体を一年中快適な温度に保つことができます。
試算条件
熱負荷計算プログラム「AE-Sim/Heat」による試算値。試算モデル:SW規格住宅モデル(住宅床面積:114.28m²。断熱仕様:(※1)H28年省エネ基準水準、(※2)HEAT20 G2水準。冷暖房:(※1)部分間欠運転(居室のみ在室時間に冷暖房運転)、(※2)24時間全館冷暖房運転(省エネモードによる制御運転)。試算地域:6地域(東京)。電力単価:31円/kWh(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の定めた「電力料金の目安単価」)。
※冷暖房費試算は、実際の運転での冷暖房費を保証するものではありません。
全館空調のある暮らしを、実際に体感してみませんか?
冬の廊下や洗面所の暖かさ、エアコンの風を直接感じにくい快適さなど、文章だけでは分かりにくいこともあります。
近藤建設興業のモデルハウスで、家全体の快適さや室内のデザインをご覧ください。
3.全館空調のデメリットと、導入前に知っておきたいこと
全館空調には多くのメリットがありますが、一般的なエアコンとは使い方が異なります。
住み始めてから「思っていたのと違う」とならないように、注意したいことも確認しておきましょう。
① 快適な温度になるまで時間がかかることを知っておこう
夏、暑い外から帰宅してエアコンをつけると、冷たい風が体に当たって、すぐに涼しく感じられますよね。
一方、全館空調は、強い風を直接体に当てるのではなく、家全体の温度をゆっくり調整します。
風が直接当たりにくい快適さがある反面、スイッチを入れてから家全体が快適な温度になるまでには時間がかかります。
そのため、基本的には24時間つけっぱなしで使います。
暑くなってから冷房をつけるのではなく、家全体を快適な温度に保ちながら生活するという使い方です。
② 部屋ごとの温度設定ができるか確認しておこう
家族の中でも、暑がりの人と寒がりの人がいますよね。
例えば、お父さんは少し涼しい方が好きでも、お母さんや子どもは寒く感じる場合があります。
一般的なルームエアコンなら、部屋ごとに設定温度を変えられます。
しかし、全館空調は設備によって温度調整の方法が異なります。
近藤建設興業が採用しているエコエアFineでは、部屋ごとに温度を設定することはできません。
そのため、暑さや寒さの感じ方が違う場合は、扇風機や補助暖房などを使って調整することになります。
家全体の温度差が少ないことはメリットですが、部屋ごとに好きな温度を設定したい方は、この点も知っておきましょう。
③ 故障したときの対応を確認しておこう
一般的なエアコンなら、リビングのエアコンが故障しても、寝室など別の部屋のエアコンを使うことができます。
しかし、全館空調は1台で家全体を冷暖房するため、本体が故障すると家全体の冷暖房が使えなくなる可能性があります。
特に真夏や真冬に故障した場合は、修理が終わるまでどう過ごすかが心配ですよね。
近藤建設興業が採用している全館空調は、故障時にメーカーが3日以内に対応する体制となっています。
また、厳しい暑さの中で修理を待つことが難しい場合には、近藤建設興業が別のルームエアコンを用意して対応します。
全館空調を選ぶときは、故障した場合にどのような対応を受けられるのかも確認しておくことが大切です。
④ 導入費用だけでなく、電気代やお手入れも確認しておこう
「全館空調は、普通のエアコンより高いのでは?」
導入を考えるとき、費用は気になるポイントですよね。
全館空調は、最初にかかる費用だけでなく、住み始めてからの電気代やお手入れについても確認しておくことが大切です。
■ 導入費用はいくら?
現在、近藤建設興業で採用しているエコエアFineの導入費用は、換気設備と合わせて約190万円です。
一般的なエアコンを各部屋に設置する場合も、エアコン本体や取り付け工事、換気設備などの費用がかかります。
そのため、費用を比較するときは、エアコン本体の金額だけでなく、換気設備や工事費も含めて比べることが大切です。
■ 24時間運転すると電気代はいくら?
全館空調は基本的に24時間運転するため、「電気代が高くなるのでは?」と心配になる方も多いでしょう。
しかし、電気代は家の広さや断熱性能、設定温度などによって変わります。
特に、外の暑さや寒さが伝わりにくい高断熱・高気密の家なら、冷暖房した室温を保ちやすくなり、電気の使用量を抑えることにつながります。
24時間つけっぱなしだからといって、必ずしも電気代が高くなるわけではありません。
導入前には、自分たちが建てる家の条件で、どのくらいの電気代がかかるのか確認しておくと安心です。
■ フィルター掃除は大変?
全館空調も、快適に使い続けるためには定期的なフィルター掃除が必要です。

近藤建設興業が採用しているエコエアFineは床置き式なので、天井裏に上がることなく、手の届く位置で掃除できます。
フィルター類は2か月に1回の掃除が目安です。
換気フィルターは2年に1回の交換が必要で、交換用フィルターの希望小売価格は税込10,181円です。
また、フィルターなどの交換部品は、近藤建設興業に注文することもできます。
各部屋に設置した何台ものエアコンのフィルターを掃除する必要がないことも、メリットです。
⑤ 運転音が気になる場合もある
全館空調は、家全体に空気を送り続ける設備です。
そのため、本体や空気の通り道、吹き出し口から音が聞こえる場合があります。
特に寝室や書斎など、静かに過ごしたい場所では気になることもあるでしょう。
近藤建設興業では、必要に応じて本体や空気の通り道、吹き出し口などを調整しています。
全館空調を検討するときは、室温だけでなく、実際の運転音も確認しておくと安心です。
4.全館空調の快適さを左右するのは、家そのものの性能
ここまで全館空調のメリット・デメリットをご紹介しました。
ただし、全館空調を入れれば、どんな家でも同じように快適になるわけではありません。
少ない電気で家全体を快適な温度に保つためには、家そのものの性能や設計が大切です。
① 高断熱・高気密の家だから、快適な温度を保ちやすい
例えば、冬に暖房で部屋を暖めても、家の断熱性能が低いと、その熱が外に逃げやすくなります。
夏も同じです。外の暑さが家の中に伝わりやすいと、冷房をつけても室温を保ちにくくなります。
また、家に隙間が多いと、外の空気が入り込んだり、室内の空気が逃げたりしてしまいます。
そこで大切なのが、「高断熱・高気密」の家です。
高断熱とは、外の暑さや寒さが家の中に伝わりにくいこと。高気密とは、家の隙間が少ないことです。
こうした家なら、冬は暖かさを、夏は涼しさを保ちやすくなります。
冷暖房で快適にした温度を保ちやすい家だからこそ、全館空調の良さを十分に活かせるのです。
【関連記事:高気密・高断熱の家とは?数字だけでは分からない、快適な住まいの考え方】
② 太陽の熱を上手に使えば、冷暖房の負担を減らせる
冬、晴れた日に窓から日差しが入ると、暖房をつけなくても部屋が暖かく感じられることがありますよね。

反対に夏は、窓から強い日差しが入ると、部屋が暑くなります。
そこで大切なのが、太陽の熱や光を上手に利用する「パッシブデザイン」です。
冬は窓から太陽の暖かさを取り入れ、夏は庇(ひさし)や日除けで強い日差しを遮ります。
こうすることで、冷暖房に必要な電気を減らすことにつながります。
また、家の広さや間取り、窓の位置によって、必要な冷暖房の量は変わります。
そのため、近藤建設興業では「空調負荷計算」を行っています。
これは、それぞれの部屋を快適な温度にするには、どれくらいの冷暖房が必要なのかを計算することです。
こうした計算と、太陽の熱を活かす設計を組み合わせることで、家全体を効率よく冷暖房できるように考えています。
③ 夏と冬で空気の流れを変え、温度差を少なくする
夏、2階や天井付近が暑くなりやすいのは、暖かい空気が上にたまりやすいためです。
反対に冬は、冷たい空気が下にたまりやすく、暖房をつけていても足元が寒く感じられることがあります。
近藤建設興業が採用している全館空調には、こうした空気の性質に合わせて、夏と冬で空気の流れを切り替える仕組みがあります。
夏は天井付近にたまった暖かい空気を、冬は足元にたまった冷たい空気を取り込み、温度を調整して家全体に送り届けます。
夏は2階や天井付近の暑さを、冬は足元の寒さをやわらげることにつながります。
④ 全館空調の良さを活かす、近藤建設興業の家づくり
ここまでご紹介した高断熱・高気密、太陽の熱を活かす設計、必要な冷暖房の計算。
近藤建設興業では、これらを組み合わせて、家全体の快適さを考えています。
例えば、冬の朝に暖かいリビングから廊下へ出ても、寒さを感じにくい。夏は2階の寝室まで涼しく、家族がそれぞれ好きな場所で過ごしやすい。
全館空調の設備だけに頼るのではなく、家そのものの性能と設計から快適さをつくる。
それが、近藤建設興業の家づくりです。
【動画で詳しく見る|近藤建設興業が全館空調を採用する理由】
近藤建設興業では、これまで床下エアコンなど、さまざまな冷暖房方式を検討してきました。
そのうえで、夏も冬も家全体を快適に保つために、現在の全館空調を採用しています。
全館空調を選んだ理由や、実際の設備について動画で詳しくご紹介しています。
家の性能から考える、快適な家づくり
全館空調の良さを活かすには、設備だけでなく、家そのものの性能や設計が大切です。
近藤建設興業が大切にしている、自然の力を活かした高性能な家づくりをご紹介します。
5.まとめ|全館空調は、暮らし方と家の性能を合わせて考えよう
全館空調は、家全体の温度差を少なくし、家族がどこにいても快適に過ごしやすくなる設備です。
ただし、導入費用や電気代、部屋ごとの温度調整など、事前に確認しておきたいこともあります。
そして、その快適さを十分に活かすためには、家そのものの性能や設計も大切です。
全館空調が自分たちの暮らしに合っているのか。設備と家づくりの両方から考えてみませんか。
全館空調が自分たちの暮らしに合うか、相談してみませんか?
「全館空調に興味はあるけれど、電気代が気になる」
「普通のエアコンとどちらがいいのか迷っている」
そんな方も、まずはお気軽にご相談ください。
家の広さや間取り、ご家族の暮らし方を踏まえながら、冷暖房の方法を一緒に考えていきます。
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